ひらがな だいぼうけん/宮下すずか、みやざきひろかず
可愛い水彩画と、ヘタウマ文字が印象的な、絵本と児童書の中間ぐらいの本です。1冊の中に、お話が3つ入っています。
タイトルの通り、ひらがなの文字が本の中から飛び出して冒険するお話です。
うちの子が気に入っているのは、文字同士が喧嘩をして、別の文字になってしまうところ。一例を引用します。
けられた が は、てんてんが とれて か になって、まっさかさまに どっすーん。
ちょうど したに いたのは き。
あわてて にげたのですが、まにあいません。
ぶつかった しゅんかんに ぽろり。
よこの ぼうが ひとつ はずれて、なんと さ になってしまいました。
引用:ひらがな だいぼうけん/宮下すずか、みやざきひろかず
「き」の棒を一つ書き忘れて「さ」になってしまう……というのは、ひらがなに親しみ始めたこども達には「あるある」なのではないでしょうか。他にも「へ」が「く」に、「さ」が「ち」に、「れ」と「わ」が見分けのつかない姿になってしまうなど、こども目線での文字への興味を引く描写でいっぱいです。うちの子は、読みながらゲラゲラ笑ってしました。
「一」「本」「日」など、一年生で習うレベルの漢字は出てきますが、振り仮名が付いているのでひらがなとカタカナがわかる子であれば自分で読むこともできます。
この本は、年中さんの1〜3月に読みました。その頃読んだ他の本はこちらにまとめています。