ぞうくん かいぞくになる/セシル・ジョスリン、レナード・ワイスガード、小宮由
夏休みにスペインの別荘に遊びに来たぞうくんは、お手伝いのパイラーさんから「私のひいおじいさんは海賊だったのですよ」と教えてもらって大興奮。スペイン海賊になり切ったぞうくんは、パイラーさんにもらった宝の地図を持って冒険に出かけます。
大人はすぐにわかる通り、宝の地図はパイラーさんが作ってくれたもので、宝物は別荘のすぐ近くにあります。ぞうくんはすっかり海賊になり切っているのですが、意気揚々と出かけたと思いきや、お母さんと部屋にシャベルを取りに戻ったりして、こどもらしくてとても可愛らしいです。パイラーさんとお母さんが、ぞうくんを見守っている様子がとてもあたたかい気持ちになります。
絵のないページもある、絵本と児童書の中間あたりの本です。「時計」「短剣」「地図」など、振り仮名はありますが、少し難しい漢字も出て来ます。ぞうくんがパイラーさんからスペイン語を教えてもらうシーンも複数箇所あるので、最初から幼児さんが自力で読むのは少し難しそうです。
うちの子は、ぞうくんが口髭をつけているところが面白いようで、口髭をいじる描写が出てくるとエア口髭で真似して喜んでいました。最後に宝箱を見つけた時は自分の宝箱を持ち出して自慢して来たり、「海賊になり切っているぞうくん」になり切っています。ぞうくんのこどもらしさについては、まだ身近な疑似体験であって、俯瞰して「こどもっぽいなあ」と感じている訳ではなさそうです。
特に予備知識もなく、図書館でマスタード色の表紙が目に入ったので借りてみたのですが、アメリカの「ぞうくんのちいさなどくしょ」という有名な童話シリーズの中の一作なのだそうです。「スペインの別荘」というワードは、日本で言う「軽井沢の別荘」的な感じなのでしょうかね?
【追記 2021.02.22】
この記事を書いてから2週間ほど経った後、子どもが突然「お父さん、スペイン語って知ってる?ぞうくんはスペイン語が喋れるんだよ」と言い出して驚きました。余程印象に残ったみたいです。
この本は、年中さんの1〜3月に読みました。その頃読んだ他の本はこちらにまとめています。