行間の記録

ひとり読みに挑戦中の年長さん「ひばり」と、活字中毒の母「くるみ」の読書の記録。

スパゲッティがたべたいよう/角野栄子、佐々木洋子

お話が面白い→自分で読めて達成感を感じられる→また読みたい のスパイラルで、こどもが自然に読書好きになる「小さなおばけシリーズ(アッチコッチソッチ)」の第1作目をご紹介します。

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スパゲッティがたべたいよう/角野栄子、佐々木洋子

手に取ったきっかけ

大好きな「小さなおばけシリーズ(アッチコッチソッチ)」。本作は、アッチとエッちゃんの出会いを描いたお話なので、なるべく早く借りられるといいなあと思っていたのですが、意外に早く借りることができました。

ひとり読み初心者には安心の「小さなおばけシリーズ(アッチコッチソッチ)」。年中さんも「大好き!」と気に入っているので、図書館に行った際には書架にあれば必ず借りるようになりました。

人気シリーズなので、ねらったお話を借りるのは難しく、その都度借りられるものを借りています。

 

この「スパゲッティがたべたいよう」は、シリーズ1作目。

「借りられたとしても、きっと年季が入ってボロボロの本に違いない」とも思っていたのですが、買い直されたばかりのタイミングだったようで、ピカピカの本でした。

初版は1979年なので、こどもの頃に読んだことがあるお母さん、お父さんも多いのではないでしょうか。たくさんのこどもたちがこれを読んで大人になったのですね。

どのような位置付けの本か

小さなおばけシリーズ(アッチコッチソッチ)」は、ひとり読みの入門として、私がいちばんおすすめするシリーズです。

小さなおばけシリーズ(アッチコッチソッチ) 」の、アッチが主人公のお話には、大きく分けて2つのシリーズがあります。

  • 主に1980年代〜1990年代に書かれた「アッチとエッちゃんのおはなし」
  • 2010年代から始まった「アッチとドララちゃんのおはなし」

本作は、最初も最初、「アッチとエッちゃんのおはなし」の第1作めです。

 

小さなおばけシリーズ(アッチコッチソッチ)」の他の作品についてはこちらをご覧ください。

gyoukan-diary.hatenablog.com

 

どのようなお話か

食いしん坊のおばけのアッチは、高級レストランの屋根裏部屋で、自由気ままに暮らしています。夜になると、屋根裏からレストランに忍び込み、ウェイトレスをおどかして、料理のおいしいところだけをつまみ食い。

毎日おいしいものばかり食べているアッチですが、ある日、散歩の途中で女の子(エッちゃん)がスパゲッティを作っているところを目にします。とてもおいしそうなスパゲティが食べたくなったアッチは、エッちゃんをおどかしてスパゲティをいただこうと考えます。

アッチは毎晩レストランでやっているように、物音を立てたり、首をぞっと触ったり、あの手この手を使ってエッちゃんをおどかそうとしますが…。

年中さんが自分で読んだ様子

あっという間にひとりで1冊通して読み終えてしまい、成長の早さに親の方が驚きました。

ひとり読み13冊めにして大きなブレイクスルーとなりました。いままでは、1冊読むのに数日はかかっていたのですが、「もっと読む!」と言って、40分ほどかけてひとりで1冊通読してしまいました。

「すごいね!全部ひとりで読めちゃったね」と褒めたところ「だってアッチのお話大好きなんだもん」とのことでした。40年以上こどもたちに読み継がれてきたお話には魔法が宿っているのかもしれませんね。

 

年中さんの秋頃までは1文字1文字を探るように読んでいたのですが、多少の行の読み飛ばしはあれど、すらすらと1冊読めるようになっていて、親の方が面食らいました。

たくさん読んでいるうちに、文の基本構造がわかってきたようで、例えば語尾の「〜しました。」などはある程度予測して口に出しているようです。音読を推奨する教育法には一定の効果があると感じます。

 

以前から「アッチとエッちゃんのおはなし」のシリーズは、時代設定が古すぎてこどもにはわかりにくいところがあると感じているのですが、本作の場合は、お話自体はとくに問題なく理解できたようです。

ひとつだけ、「アドバルーン」は絶対に知らないだろうと思ったので、ググって画像を見せて説明しました。

この本を与えて親が感じたこと

今まで、文字の大きさなどの読みやすさの面で「小さなおばけシリーズ(アッチコッチソッチ)」は、初めてのひとり読みにぴったりだと思っていたのですが、お話が面白い、自分で読めて達成感を感じられる、また読みたいと思うスパイラルに自然に乗ることができる点が、このシリーズのもっとも優れている点だとわかりました。

どこまで狙って作られているのかはわかりませんが、こどもたちに長く読み継がれているということは、このスパイラルが機能しているという証拠でもあるのですね。

あまりの短期間での成長に、我が子のことながら感心してしまいました。あまり関心のなさそうなことを無理にやらせるよりは、好きなことをどんどん応援するほうが、うちの子には合っているようです。

幸運なことに、図書館も書店も近所にあるので、これからもどんどん読書の道案内をしてあげたいと思います。

この本は、年中さんの1〜3月に読みました。その頃読んだ他の本はこちらにまとめています。 

gyoukan-diary.hatenablog.com